3月より準備を進めて参りました「北海道火山防災サミット2012 in 雌阿寒岳」ですが、先日9月22日シンポジウムをもちまして無事終了いたしましたことを、ここにご報告申し上げます。

当日は関係者含め150名の方にご参加頂きました。非常に多くの方にご参加頂き、有意義な「北海道火山防災サミット2012 in 雌阿寒岳」を開催することができました。これも皆様方のご支援とご愛顧によるものと、心から感謝いたしております。

また、講師の皆様、登壇者の皆様、そしてご参加頂いた関係機関の皆様、当日お手伝い頂いたスタッフの皆様には改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。この火山防災サミットから発信したメッセージや雌阿寒岳の素晴らしさ、そして先人たちの教えや願いを、これからも未来の子どもたちへ伝え続けていってほしいと願っております。

北海道火山防災サミット2012 in 雌阿寒岳地方実行委員会事務局

雌阿寒岳火山防災会議協議会(阿寒町行政センター 地域振興課) 釧路市阿寒町中央1丁目4番1号 
TEL: 0154-66-2121 FAX: 0154-66-3959

NPO法人 環境防災総合政策研究機構 北海道支部 札幌市中央区北1条西8丁目2-39 ISM札幌大通8F
TEL:011-271-2663  FAX:011-204-7367

以下では、各取り組みを報告します。

雌阿寒岳火山防災ガイドブック刊行記念バスツアー 「雌阿寒岳の噴火に備えて」を開催!

日時2012年9月4日(火)9:00~16:00
コース雌阿寒岳温泉コース
参加者雌阿寒岳山麓に暮らす住民8名
講師1名
事務局他 5名  計14名
講師北海道大学名誉教授 宇井 忠英 氏
主催北海道火山防災サミット実行委員会
北海道火山防災サミット雌阿寒岳地方実行委員会
後援雌阿寒岳火山防災会議協議会
協力NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構
NPO法人 あしょろ観光協会

私たちは雌阿寒岳の恩恵をたくさん受けながら火山の麓で暮らしています。しかし、その雄大で穏やかな雌阿寒岳もひとたび噴火すれば、周辺地域に甚大な被害をもたらす可能性があります。

“雌阿寒岳と共に豊かで安全に暮らす”ことについて住民の皆様とともに考えていきたいという思いから、雌阿寒岳火山防災会議協議会が中心となり「雌阿寒岳火山防災ガイドブック」を制作・配布しました。

バスツアーではこの火山防災ガイドブックを使いながら、制作に携わった宇井先生から、雌阿寒岳が過去に引き起こした噴火や災害について解説していただきました。

土石流が作った螺湾本町の平坦地から始まり、次に約9,000年前に噴出した火砕流堆積物の断面で火砕流がこの地を埋め尽くしたことを学び、さらにここでコーラを使った火山爆発実験を行いました。阿寒富士溶岩流の石材採掘跡地では、溶岩流の流れ方を学びました。オンネトー附近や雌阿寒温泉地区では、融雪型泥流などが発生した際には、低地に避難すると泥流に襲われる危険があるため、高い所へ登って救助を待った方が安全なこともあることを知りました。

ガイドブックが住民に配布されたすぐの開催でもあり、持参されている参加者もいました。ガイドブックを示しながらの解説を真剣に聞く姿が見られました。

「火の山を探るサミット登山会」 ~先生といっしょに楽しく雌阿寒岳を登ろう~ 開催!!

日時2012年8月25日(土)8:30~16:00
コース雌阿寒岳温泉コース
参加者雌阿寒岳山麓に暮らす住民27名
講師5名
事務局他10名 計42名
講師北海道教育大学旭川校教授 和田 恵治 氏
気象庁 釧路地方気象台 志賀 透 氏
気象庁 網走地方気象台 佐藤 悦信 氏
環境省阿寒湖自然保護官事務所 菅野 康祐 氏・北川 栄司 氏
主催北海道火山防災サミット実行委員会
北海道火山防災サミット雌阿寒岳地方実行委員会
後援雌阿寒岳火山防災会議協議会
協力気象庁網走・釧路地方気象台
環境省阿寒湖自然保護官事務所

山麓に暮らす住民が雌阿寒岳登山をしながら火山の恵みと火山活動を学ぶことによって、火山に対する関心と防災意識が高まることをねらいとして、大人登山会を開催しました。

山麓に広がるアカエゾマツ原生林から始まる登山道を歩きながら、雌阿寒岳の地質や形成史を学んだり、気象庁・北大などの監視・観測機器の説明を受けたり、植物や鳥などを観察し、頂上に到達するまでには雌阿寒岳について多くの知識を得ることができました。

当日は天候にも恵まれ、オンネトー、ポンマチネシリ火口、青沼火口、阿寒富士、阿寒湖、雄阿寒岳と、登山道から次々と目に入る絶景を楽しみ、頂上まで登りきったときにはその高揚感に身を浸し、雌阿寒岳の素晴らしさを再確認した方が多かったようです。

雌阿寒岳は、身近にある自然豊かな素敵な山であることとともに、幾度もの噴火で形成されてきた歴史のある山であり、噴火の危険性を忘れてはいけない山であることなどを、改めて学ぶことができた登山会となりました。

北海道火山防災サミット2012 in 雌阿寒岳「火の山のキッズ登山学習会」が開催されました!

平成24年7月21日(土)霧雨が降る中、北海道火山防災サミット2012in雌阿寒岳「火の山のキッズ登山会」が開催されました。

両市町の子どもたちが共に登り交流を行うことによって、雌阿寒岳で繋がる地元地域と人々に関心を広げるきっかけとなりました。

残念ながら霧雨に濡れながらの登山となり、視界は不良。オンネトーも阿寒富士も火口も見えませんでしたが、最後まで頑張って、3年生以上の子どもたちは全員登頂しました。山頂では、火山の先生たちから雌阿寒岳について様々なお話を聞きました。私たちは「もし雌阿寒岳が噴火したときに、避難する必要があるのか無いのか?雌阿寒岳のことをよく知っていれば、むやみに恐れることも侮ることもなくなる。このように、普段から自然や火山と親しみ仲良くなっておくことが大切なんだ」ということを学びました。

先生たちのお話を聞いているうちにだんたんと青空が広がってきました。ゴーッという噴気の音がする方に目をやると、大きな火口や青沼が…! 子どもたちの、この日一番の歓声があがりました。

雌阿寒岳山麓に暮らす釧路市・足寄町の子どもたちに、少しでも雌阿寒岳に対する興味と親しみを深めてもらえたでしょうか。とても険しい登山でしたが、最後まで元気だった子供達の笑顔と「楽しかった~」という声が印象的でした。

ご協力を頂きました先生方、どうもありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

火山の先生
岡田  弘 先生(北海道大学 名誉教授)、境  智洋 先生(北海道教育大学釧路校 准教授)、安齋 圭亮 先生(北海道教育大学旭川校 大学院修士課程)、 志賀  透 先生(釧路地方気象台)、 吉川 章文 先生(釧路地方気象台)、 佐藤 悦信 先生(網走地方気象台)、 小山内 仁 先生(網走地方気象台)

登山の先生
田村 勝夫 先生(足寄町:自然公園指導員)、千田 栄三 先生(釧路市:釧路山岳連盟)、三原 勲 先生(釧路市:釧路市役所山岳会)、江良 誠 先生(釧路市:釧路市役所山岳会)、山野 勝先生(釧路市:市立釧路総合病院)

共催
釧路市教育委員会、足寄町教育委員会、北海道火山防災サミット実行委員会、北海道火山防災サミット雌阿寒岳地方実行委員会